構造設計事例

case003 A社の事例

クリエイティブ系イベントの企画運営を展開する総合プロデュース会社です。秋田市を拠点に、地域密着型の事業として成長してきました。

概要

A社は個人イベントから発展し、複数分野へと事業を拡張する中で、構造整備が追いつかず、事業全体の統一性を欠いた状態にあった。
その結果、ブランドの弱さと運用の非効率が同時に顕在化していた。
本事例は、分断された事業をドメイン設計とデータ基盤によって再統合し、企業の構造そのものをCIとして再定義した構造モデルである。


課題(分断の発生)

事業の成長に対して構造整備が追いつかず、以下の分断が発生していた。

  • 無料サービス上のサイトとフリーメールによる運用で、公式性と一貫性が弱い
  • プロジェクトごとにサイト・管理方法が異なり、全体像の把握が困難
  • 申込み管理が手作業中心で、工数とミスが発生
  • 参加者情報が分散し、履歴の追跡や活用が困難
  • 過去プロジェクトの再利用ができず、毎回ゼロから準備

これらは個別の問題ではなく、構造の不在によって生じた分断である。


分析(構造欠如の正体)

本事例の課題は、次の二つの構造欠如に集約される。

1.ブランド構造の欠如

独自ドメインを持たず、組織としての識別子が不在であった。
そのため、外部からの認識が分散し、ブランドとしての一貫性が成立していなかった。

2.運用構造の欠如

プロジェクト単位で運用が分断され、申込・顧客・開催情報が連結されていなかった。
その結果、データは蓄積されず、単発で消費される状態にあった。


目標

分断された事業を、ブランドと運用を統合した構造へ再編すること。


設計思想

外部への見え方(ブランド)と内部運用(基盤)を分離せず、同一構造として統合する。

ドメイン設計により組織の識別と構造を定義し、データ基盤によって運用を統合することで、「見え方」と「運用」を一体化した事業構造を構築する。


実施内容(構造レイヤー別)

1.インフラ・識別レイヤー(ブランド基盤)

  • 独自ドメインの取得
  • サブドメイン設計によるプロジェクト分離
  • Web環境の統一整備

🌟組織としての識別子を確立し、外部からの認識を統一

2.表示・接点レイヤー(外部インターフェース)

  • Webサイト構築
  • ブランド設計(ロゴ・ビジュアル統一)

🌟ユーザー接点を統一し、ブランドとしての一貫性を確保

3.運用・業務レイヤー(プロジェクト運営)

  • 申込みなどのオンラインシステム構築
  • クラウドベースのプロジェクト管理システム構築

🌟分断された業務フローを統合し、運用を標準化

4.データレイヤー(基盤構造)

  • WordPressを用いたデータベース構築
  • 参加者・プロジェクト情報の一元管理

🌟データを蓄積・再利用可能な状態にし、運営を資産化


成果

  • 独自ドメインにより、ブランドの一貫性と信頼性が向上
  • サブドメイン構造により、複数プロジェクトを整理して管理可能に
  • 運営が単一基盤に統合され、業務の標準化と再現性が向上
  • 手作業の削減により、工数とミスが低減
  • データの蓄積により、分析・再利用が可能に

🌟結果として、事業は「単発運用」から「構造運用」へ移行した


本構造の本質

本事例の本質は、個別の課題解決ではなく、分断された事業を、ドメイン設計とデータ基盤によって再統合したことにある。

これはすなわち、デザインと技術によって、企業の構造そのものをCIとして再設計した、ということである。

いうなれば、分断された企業を、構造CIとして再統合した事例といえる。

🌟本構造は、CIを「視覚」から「構造」へ拡張した設計であり、「構造駆動型コーポレートアイデンティティ」である。


転用可能性

  • 急成長により構造が追いついていない事業
  • 複数プロジェクトを同時に運営している組織
  • スクール・講座・イベントなど情報密度の高い事業
  • 分断されたデータと運用を統合したいケース

🌟分断が発生しているあらゆる成長事業に適用可能